夫と父とそれから私

なんでもすぐに忘れてしまう

パパの傘はとうめいにんげん

娘がいつも一緒に通学している近所の子が遅刻するというので、通学班の集合場所まで送ることになった。今日はあいにくの雨、傘を並べ歩き始める。

そんな天気にも関わらず、娘は楽しそうにおしゃべりしている。ウンウン、と返事をしていると、娘が私のビニール傘を指して「パパの傘はとうめいにんげん」と言った。透明と透明人間が混じっているらしい。「傘は人間じゃないから、透明人間じゃなくて透明だね」と言うと、「あはは、私のはいっこだけとうめいであとはおはながら」と返ってきた。

そんなことを話しているうちに集合場所に着いた。たかが傘に揺らぐそんな感性がうらやましいな、と感じつつ娘の背中を見送った。